万博の経済効果は「あんまり気にする必要がない」と11/13に語った橋下徹氏。
その6日後の11/19、上振れする万博費用について
「投資と考えるか無駄なお金と考えるのか。経済効果としてで3兆円出るという計算式で出ている。無駄と考えるのか経済対策と考えるのかで考え方がぜんぜん違う」
と、経済効果として万博は必要だと語る橋下氏。
吉村知事も、橋下氏の記事への引用ポストで
「万博の経済効果は2兆4千億円」と経済効果を強調する投稿をしているが…
いったいどっちやねん?と首をかしげてしまう事態に。
そんな中12/21、横山市長が「経済効果の実際を計測するのは難しい」と認めました。
つまり、経済効果が2兆円だと今主張しても、実際どうなったのか、検証もできません。
一方、万博誘致をしていた2017年2月、松井一郎氏は「万博の経済効果は6兆円」としていた。
そもそも、万博の経済効果はどのようなものか?
万博経済効果が2兆円という根拠である、アジア太平洋研究所の試算は2800万人の来場者が前提条件。これは一日あたりUSJの4倍もの集客が必要となる。
さらに「万博周辺地域」で様々なイベントが開催されるのが前提条件だが、周辺地域には関西のほか、福井、三重、鳥取、徳島まで入り、その他関西以外の地域の経済効果も2割弱を占めており、あまりにも広域だ。
誘致前の国際博覧会大阪誘致構想検討会での経済効果では、万博開催による「直接効果」として
「万博に来た人の3%が10万円のオーダーメイド医薬品を5年間使うから3300億円」といったあり得ない数字のオンパレード。
どこまでこの数字に期待して、万博に投資すべきだろうか。
橋下徹氏、大阪万博「プレハブでいい」費用増にも「経済効果2兆円」論 言い出しっぺ→退任は「無責任」と反省<デイリースポーツ2023/11/13>
国会での与党の答弁などを踏まえて「ぼくに説明させてくれれば、もうちょっとうまく説明できるんじゃないかな」と“口べた”ぶりも指摘。さらに「タイプAなんかいらないと思うんです。(万博協会がパビリオンを建設する)タイプBで十分だと思う」と派手な建築物は必要ないとした。 経済効果については「あんまり気にする必要がない」と明言。「経済効果は2兆8000億円とか。(費用の)上振れも『絶対しない』とか言わなくていいと思う。3000億でも4000億でも3兆とか4兆の経済効果をたたき出す投資だっていうことで、費用ばっかりを抑える議論にしない方がいいと思う」と語った。
https://www.daily.co.jp/gossip/2023/11/13/0017022279.shtml
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番組側は「中止でええやん」を合言葉に開催中止を求める運動もあると伝えた。橋下氏は、結論としては「しっかりやっていこう」と前向き。一方で「どんどん撤退してもいいし、パビリオンとかそういうのはタイプAにこだわらなくていい。『プレハブ万博』っていうことで、ぼくはいいと思う」とした。
橋下徹氏「巨大な清水寺の舞台に上がりませんか」350億円建設費で批判「万博リング」意義強調<日刊スポーツ2023/11/19>
「だれかの懐に消えていくなら無駄ですが、木材費として森林業のほうにお金が材料費として流れていくし、建設事業者のほうの工賃にも回る。いま政治家たちが、財政出動で経済対策をしろと(言っている)。本当に好例、最適例なんです」と理解を求めた。
「投資と考えるか無駄なお金と考えるのか。350億円を含めて(費用の見積もりが)2800億くらいのお金で、経済効果としてで3兆円出るという計算式で出ている。無駄と考えるのか経済対策と考えるのかで考え方がぜんぜん違う」
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202311190000296.html
大阪万博効果、日帰り・宿泊増で5000億円上振れ 関西白書<日経新聞2023/10/6>
25年国際博覧会(大阪・関西万博)の会期中に周辺地域が積極的にイベントなどを展開すれば、日帰り客や宿泊数が増加して経済波及効果が5000億円上振れるとの試算をまとめた。
22年版白書では同様の想定で経済波及効果が約3900億円上振れるとしたが、23年版は消費単価などを最新の数値に改め、日帰り客の増加などの要素を新たに盛り込んだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF044VC0U3A001C2000000/
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APIRは万博協会の想定来場者数を前提に、万博会場の周辺地域でものづくりの現場を体験する「オープンファクトリー」など様々なイベントが開催されるケースを「拡張万博」と定義して試算した。
拡張万博の場合、国内客の宿泊数は基準ケースの1泊2日から2泊3日、インバウンド(訪日外国人)は3泊4日から5泊6日にそれぞれ増加。拡張万博の高位シナリオの場合はさらに国内の日帰り客が2割増えると想定した。
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観光客を周遊させるためには、観光の広域化や高付加価値化も重要になる。兵庫県と京都府の北部を中心に巡る観光ルートを前提に、高級ホテルに泊まるなどの高単価ケースと基準ケースとを比較すると、高単価ケースの経済効果は基準ケースの2.5倍にのぼるとの試算もまとめた。
「万博周辺地域」って鳥取まで含むの?
拡張万博の経済波及効果:UPDATE<アジア太平洋研究所(APIR)2023/3/13>
2兆円を超える万博の経済効果があるとした報告を出した、アジア太平洋研究所(APIR、大阪市)。10/6の報告は公開されていないようだが、3月時点のペーパーでは、関西のほか、福井、三重、鳥取、徳島まで入り、その他関西以外の地域の経済効果も2割弱を占めており、かなりの広域を「万博周辺地域」と想定していることが分かる。
大阪府資料でも万博の経済効果の信ぴょう性が怪しい
第3回国際博覧会大阪誘致構想検討会(平成27年7月)資料3によると(つまり2015年)
万博開催による「直接効果」として
①オーダーメイド型医薬品・医療サービスの普及・定着 3,300億円
※66万人/年(想定入場者の3%)×10万円/人×5年
③次世代型携帯端末機器の普及 2,200億円
※440万人/年(想定入場者の20%)×5万円/人
「間接効果」として、万博開催後の観光客の増加で、2410億円が今より増えるという見込み。
かなりあり得ない数字。
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/25447/00207317/siryou3_dai3kai.pdf
横山市長「経済効果が実際に発生したか計測するのは難しい」と認める。
万博の経済効果は、最大で大阪府の府内総生産の4.5%
アジア太平洋研究所の上記表から、大阪府の経済効果額は約1兆8000億円。
大阪府内総生産は約40兆円のため、試算通りすべてうまくいったとしても4.5%。
令和2年度 大阪府民経済計算
https://www.pref.osaka.lg.jp/toukei/gdp/index.html
府内総生産は、名目39兆7203億円、実質(注1)38兆8921億円
府民所得(注2) は、25兆76億円で対前年度8.0%減
経済成長率(府内総生産の対前年度増加率)は、名目3.9%減、実質(注1) 4.6%減