大阪市は、水道老朽化ワースト。なかなか管路更新の工事が進まないのは、全国的に基準とされる耐用年数ではなく使用可能年数を重視するからか?

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痛ましい埼玉県八潮市の陥没事故は記憶に新しい。42年前に敷設された下水道管の破損による事故だった。
それを受けて大阪市でも緊急点検されていたはずが、漏水事故は起きてしまった。
今回、大阪市城東区で事故の起きた水道管は1966年に敷設されたもので59年経っており、耐用年数40年を超えている。この場所は「やや腐食性の高い土壌」であることから、大阪市は使用可能年数を65年としている。
1年に約100件ほど漏水事故が発生する状況が大阪市では続いているが、問題はないのだろうか?

目次

大阪府の水道の現況(令和5年度)より

全管路延長法定耐用年数(40年)を超えた管延長40年経過管率
大阪市5,221km2,733km52.3%
府内計(大阪市を除く)19,061km5,926km31.1%
(全事業体)府総計24,897km9,044km36.3%
全国744,681km175,934km23.6%

全国では、耐用年数40年経過管率は23.6%である。
大阪市は、他の大都市に比べ早くから都市化が進んだため、1970年頃には全管路網の87%が整備されていた。
そのため経過管率はすでに52.3%と、全国より早く老朽化が進んでいて、政令市で最も高い。
(毎年100件ほどの漏水事故が発生している。)

法定耐用年数20年超、把握できた経年劣化 水道老朽化ワースト大阪で進まぬ交換作業

水道管の法定耐用年数の40年とは、法律(地方公営企業法)で定める水道管の固定資産の減価償却にかかる年数であり、水道管自体の寿命を定めたものではなく、また、大阪市の水道管の約8割を占める「ダクタイル鋳鉄管」は、水道局による調査・分析の結果から、埋設されている土壌によって、概ね65年から100年の使用が可能であることを確認しています。

埼玉県八潮市で下水道管の破損に起因する道路陥没事故が発生したことを踏まえ、大阪市でも独自に下水道管の緊急点検を実施

城東区東中浜で発生した漏水事故、その水道管は口径500mmであり、緊急点検対象外だった。

大阪市では、松井前市長時代に、水道事業を民間移譲するコンセッション方式を導入する試みに失敗している。

大阪市では、水道管交換の民営化「採算取れない」と業者辞退、大阪市「一から見直し」 〈読売新聞 2021年10月1日〉

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