半年で解体する、万博の大屋根リングに350億円。
「身を切る改革と矛盾している」等々、無駄使いだと批判が上がる中、「大屋根リング」の保存に前向きな発言を吉村知事がしたのが11/16。
その2日後の11/18、日本維新の会所属の東とおる参議院議員は「保存したいが、維持費にいくらかかるかの検討が必要だ」との発言。
つまり、吉村知事は維持費がいくらかかるのかの検討もないままに、保存に前向きな発言をしています。
政府関係者は「保存するかどうかは大阪府・市が判断する」。
となると、大阪府・市の両議会は、維新の会が過半数を占めるため、知事・市長が提案すれば、維新の会次第で予算は通ります。
橋下徹氏は「清水寺と同じ釘を一切使わない工法。規模は清水寺より大きい」と評価し、吉村知事も「日本最高の木材建築技術」と引用ポストをしたが…
「釘はないかもしれないが、ボルトナットだらけ」「集成材の大屋根と清水寺を比較し、しかも清水寺よりランク上みたいな書き方をするか?」とネット上で批判されている。
追記:その後、国会質問(立憲・森山議員)で、ボルトナットだけでなく、釘も使っていることが判明。
「釘を一切使わない、清水寺と同じ工法」のはずが、これいかに…。
追記:12/5 横山市長は「釘やボルトが使われていたとしても、リングの理念が損なわれるものではない」
12/6 吉村知事は「釘であろうが接続であろうが一緒だと思うけど、金具を使って強化しているところはある」
巨額大屋根に保存案浮上=「無駄遣い」批判受け―大阪・関西万博<時事通信2023/11/18>
巨大な木造の大屋根(リング)について、閉幕後に解体する方針を見直し、現地に保存する案や一部を再利用する案が関係者の間で浮上している。会場建設費が2350億円に上振れする中、350億円とされるリングの費用にも、一部で「無駄遣い」との批判が上がっているためだ。…16日には、大阪府の吉村洋文知事がリングについて「国内外から高い評価を受け、残すべきだとの意見も多く出ると思う」と述べ、保存に前向きな考えを示した。政府関係者は「保存するかどうかは大阪府・市が判断する」としている。
https://sp.m.jiji.com/article/show/3101594
橋下徹氏「巨大な清水寺の舞台に上がってみません?」大阪万博の350億円日よけ木造リングをPR<スポニチ2023/11/19>
「これを無駄だという方の感覚を否定はしませんが、350億円が誰かの懐に不当に消えていくんだったら無駄ですけれども、これは木材費として森林業の方にお金がまず材料費として流れていくし、建設事業者の方の工賃にも回るし、これはいわゆる今、政治家たちが財政出動で経済対策をしろという、本当に好例なんです。凄い最適例」と持論を展開した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/29f1c4df044b26fafc62fb8ff4a07867395ab51d
そのうえで「これは投資と考えるか、無駄なお金と考えるのか。今回この350億円を含めて2800億くらいのお金で、大体、経済効果として3兆円くらいと計算式で出ています。だから、これを無駄と考えるのか、経済対策と考えるのかで考え方が全然違うと思うんです」と問う掛けるように話した。
…
橋下氏は「巨大な清水寺の舞台に上がってみません?」と述べ、
これが清水寺だと同じ工法だ?あまりにもガタガタでのボルトだらけで、同業者からも違和感続出。
「日本の恥さらし」大阪万博344億円木造リング、伝統的貫工法のはずが「釘もボルトも活用」…吉村知事らの「弁明」に呆れ声<SmartFLASH2023/12/7>
だが、11月24日、衆院予算委員会で、立憲民主党の森山浩行議員がこの点を追及している。
「日本の伝統工法だと言われてますが、釘は使ってないけど、ボルトやナット使ったりしてますね?」
経産省の審議官が「日本の伝統的な貫工法という方法を使いますが、一部、釘もボルト等も活用はいたします」と答えると、森山議員は「伝統工法を模したもの。鉄を使ったりボルトやナット使ったものは、伝統工法と言いません」とバッサリ切り捨てた。
清水の舞台と同じく、日本の伝統的貫工法のはずが、釘もボルトも使っている……。
…
12月5日の囲み会見で、リングに「釘もボルトも使っている」点を問われた横山英幸大阪市長はこう答えた。
「構造物を逐一チェックをして見に行ったわけではないが、釘やボルトを安全性のために使ったからといって、工法自体は貫工法です。独特な、いろんな日本に昔からある建物で使われている工法でやるわけですから。もしそれで釘やボルトが使われていたとしても、リングの理念が損なわれるものではないと思います」
12月6日の囲み会見で同じくこの点を問われた吉村大阪府知事はこう答えた。
「釘を使わないでつないでいく工法が貫工法。実際、それで組み立てています。そのなかで一部、より安全を実現する必要のあるところに一部、金具を使っている。
それは釘であろうが接続であろうが一緒だと思うけど、金具を使って強化しているところはある、ということです。 それは、釘を使わない貫工法の技術そのものですから。そうでなかったら、ぜんぶ釘でバチバチ打ったらいい。なので、釘を使わない貫工法という伝統的技術を使った組み立てをしている。ただ、その一部、補強をしなくてはいけないところ、安全性を高めるところに金具を使っているところはあります」
リングに一部で釘やボルトを使っていても、工法自体は釘を使わない貫工法だから構わないというわけだ。