2025大阪・関西万博が開幕して1週間も経たぬうちに、横山市長は「万博関連費用約13兆円は万博がなかったとしても事業展開されている」と、吉村知事は「万博に13兆円使われている!もデマです。」とそれぞれXに投稿したが、それこそデマ。
吉村知事は松井前大阪市長とともに2021年7月、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)関連事業に関する要望を国に提出。
会場建設費や会場周辺のインフラ整備の他に、近畿圏域を越えて西は鳥取県(米子自動車道)や徳島県(阿南安芸自動車道)、北は福井県(大野油坂道路)の方まで含む形で関西広域での交通インフラの整備や、ソフト整備(うち約3兆円)の財政的支援を賜りたいと国に要望していた。
大阪・関西万博費用13兆円の矛盾、吉村知事「要望書」が示す欺瞞と懸念 〈ビジネス+IT 2025年4月23日〉

万博後の懸念を感じさせる重要な証拠
2021年7月、大阪府、大阪市、関西広域連合、そして関西の主要経済団体らが連名で国に提出した「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)関連事業に関する要望」という文書が存在する。
当時の大阪府知事・吉村洋文氏、大阪市長・松井一郎氏(当時・大阪維新の会所属)らが名を連ねたこの文書は、万博推進派が現在振りまいている主張について、万博後の懸念を感じさせる重要な証拠である。
現在、万博関連費用は13兆円を超えており、その巨額さが批判の的となると、維新関係者や読売新聞など一部メディアは「万博と直接関係のない事業費が含まれている」「四国の道路整備などは万博費用ではない」と言い逃れを始めている。
しかし、この要望書の存在は、その言い逃れを「粉砕」してしまうことになる。彼らは自らの手で、会場周辺インフラに留まらず、関西一円、果ては中国・四国地方にまで及ぶ膨大な数の道路、港湾、鉄道、河川等の整備事業を「万博関連事業」と明確に位置づけ、国にその実施と財源措置を強く要求していたのだ。
「万博のため」の予算が別物扱いという自己矛盾
自分たちで「万博のため」と定義し予算を要求しておきながら、都合が悪くなると「あれは別物だ」と言い出す。この責任転嫁、自己矛盾は、万博計画がいかに当初からずさんで、政治的な思惑によって肥大化してきたかを物語っている。
万博は、純粋な国際イベントではなく、関西、いや日本全体の公共事業予算を獲得するための、壮大な「口実」として利用された疑いが濃厚なのである。少なくとも13兆円の投資がある前提で、投資をした企業は多い。
この要望書は、万博を「ポストコロナにおける成長・発展の起爆剤」「世界の課題解決を促す処方箋」と持ち上げる。だが、その根拠はどこにあるのか。示されるのは「やってみなはれ」の精神論、「未来社会の実験場」という空虚なスローガン、「新たな価値観やイノベーションの創出」といった具体性のない期待ばかりである。
2025 年日本国際博覧会(大阪・関西万博)関連事業に関する要望 〈2021年7月〉


