「躍動」議員が居住要件を満たさず
今月6日に投開票された兵庫県赤穂市議選で当選した山谷真慶氏(56)の無効を求める異議申し立てが同市選挙管理委員会に受理されたことが16日、分かった。山谷氏は同選挙に政治団体「躍動の会」から立候補して初当選。取材に対し「調査にきちんと協力し、対応したい」と話している。 申し立てによると、地方議員選挙への立候補には3カ月以上その自治体に住所がある必要があるが、山谷氏はその居住要件を満たしていなかったとしている。 躍動の会は、斎藤元彦兵庫県知事の内部告発問題を調査していた県議会調査特別委員会(百条委員会)の非公開音声データの流出などに関わった県議3人が3月に立ち上げた。
産経新聞2025年4月16日の配信記事より

「躍動の会」とは
「躍動の会」について2025年3月10日の毎日新聞記事から説明する。

兵庫県の斎藤元彦知事らの疑惑に対する文書での告発に絡み、関連する情報を日本維新の会所属の兵庫県議が政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首に提供した問題で、維新を離れた3県議は10日、県議会の新会派「躍動の会」を結成したと発表した。「躍動」は斎藤氏が県政のキャッチフレーズにしており、斎藤氏支持を鮮明にするとみられる。メンバーは増山誠、白井孝明、岸口実の3氏。増山氏が幹事長に就任する。3人が10日、インターネット番組に出演し、明らかにした。増山氏は「(斎藤氏の)政策に非常に共感する部分がある」と語った。
2024年11月の兵庫県知事選では、維新県議団が元参院議員の清水貴之氏に出馬要請したが、増山、白井両氏は斎藤氏を公然と支援した。維新県議団長だった岸口氏は、知事選期間中に立花氏に情報提供したとして、除名処分を受けた。増山氏は県議会調査特別委員会(百条委)の秘密会の音声データを立花氏に提供▽白井氏は立花氏に電話で情報提供したうえ、百条委の報告書の採決で反対――したことなどから、それぞれ離党勧告を受けた。増山氏は離党が認められ、白井氏は離党届を出している。
「躍動の会」の成り立ち
「躍動の会」は、いずれも維新所属の兵庫県議たちが行った情報漏洩などで処分を受け、維新を離れて結成されたものだ。吉村洋文日本維新の会代表が、彼らの情報漏洩について「気持ちはわかる」などと発言して物議を醸したが、騒ぎになったため処分されたのであって、「正義のためにやりました」と言いながら自分たちに都合良く暴挙をはたらくその体質は維新そのものと言える。維新ペディアでは同会のこれからをも追っていきたい。
記事は、集英社オンライン2025年3月28日配信記事より引用する。

「県議会百条委で副委員長を務めた元維新の岸口実県議です。知事選のさなかに岸口氏は、知事失脚を図った黒幕として竹内さんらの名を記した怪文書を、自分や維新の強力な支援者と目されるX氏の仲介で立花氏に渡し、これが立花氏の主張のもとになりました」(県議会関係者)
今年2月に立花氏が怪文書は岸口氏からもらったと暴露すると、岸口氏は初めは否定したが、「私から渡したと言われても申し開きできない」と言い方を変えた。 さらに立花氏と会った理由については、「理由がない。軽率だったとしか申し上げようがない」と説明を拒んでいる。 「岸口氏が文書を渡したことを最初否定したため、同席したX氏の存在が注目されることになりました。岸口氏はまずいと思い慌てて自分に責任があると言い始めたように見えます。いずれにしても岸口氏は、疑惑解明に努力した竹内元県議らを裏で攻撃していました。発覚して百条委の副委員長を辞任しましたが、責任をとったとは言えません」(県議) 兵庫維新の会は問題を受け岸口氏を除名処分にした。
「維新の議員は選挙に出馬する際、『除名されれば議員を辞職する』との誓約書を出しますが、岸口氏は除名処分を受けながら『支持者に続けろと言われた』と言って議員辞職を拒んでいます」(地元記者) 兵庫維新の会は他にも、百条委の秘密会で隠れて録音した音声データを立花氏に提供した増山誠県議と、立花氏に情報提供を申し出た白井孝明県議に離党勧告処分を出している。 すると離党した増山、白井両氏は岸口氏とともに3人で県議会に新会派「躍動の会」をつくり、さらに同名の地域政党を立ち上げた。 「躍動の会は斎藤氏を応援するとし、次の県議選で仲間を増やしたいとしています。
(中略)なんとも理解ができないのですが、この3人は兵庫維新の会の処分を受けて離党したはずなのに、今も日本維新の会のホームぺージには党所属議員として紹介されています。 一方、県議会は岸口氏らの行為を調べる調査会を設置しました。県警も、岸口、増山氏の行為は威力業務妨害にあたる可能性もあるとみて関心をもっています」(政界関係者)
高見氏や岸口氏らが応援する斎藤知事は、県の第三者調査委員会が11のパワハラ言動を指摘したことを「受け入れる」と述べ、認めた。だが責任を取る姿勢はない。 3月26日の記者会見でも斎藤知事は「しっかり襟を正して、再発防止策を含めてしっかりやっていくということが、私の責任の果たし方だという風に考えています」と答え、辞職どころか自分には一切処分を行なわないことを明言した。 知事から県議、市議まで。兵庫県内の議会の混乱は続きそうだ。