いわゆる「大阪都構想」の是非を問う住民投票の告示後すぐ、10月14日には堺市で医療機関関連クラスターが発生。10月下旬には大阪府の実行再生産数は1.3を超えます。しかし都構想が否決された後も、吉村知事はコロナ対策に取り組む姿勢を見せず、11月3日には「大阪・光の饗宴2020」点灯式に松井市長と揃って出席。11月5日には広域一元化を提案します。11月11日になってようやく開催された対策本部会議では「様々な場面での感染が散発的に起こっているというのが今回の拡大の特徴」「特定の拡大原因をこれと特定ができない今、大変対策が難しい」と健康医療部に指摘されたことからも、感染症対策に取り組み始めるには遅すぎた、時を逸したことが分かります。
解説
大阪府の感染状況は、これまで第1波ではライブハウスクラスターや、第2波では夜の街(特にミナミの)クラスターなどエピセンターがはっきりしていました。第3波でももっと早い時期にコロナ対策に取り組まれていれば、知事が会議を開催し感染状況が確認されていれば、エピセンターは特定されていた可能性が高い。要は、エピセンターが分からなくなるほど市中感染が広がってしまうまで、大阪府の感染症対策は放ったらかしにされた。散発的に感染が起こる、全年代にバラついて感染が起こっているとはそういうことです。維新行政が優先されてしまった影響として、今までの波では必ず入院できていた高齢者でしたが、この第3波で初めて無症状の場合は高齢者施設内で看護することを余儀なくされる事態に陥りました。
10月12日
「大阪市を廃止して四つの特別区に再編する大阪都構想の是非を問う住民投票」告示日
10月14日
泉北陣内病院(堺市南区)医療機関関連クラスター
10月16日
阪和第二泉北病院(堺市中区)医療機関関連クラスター
11月1日
「大阪市を廃止し四つの特別区に再編する大阪都構想の是非を問う住民投票」当日
11月3日
「大阪・光の饗宴2020」点灯式
11月4日
大阪維新の会 定例調整会開始
副首都推進局について
11月5日
11月11日
大阪府新型コロナウイルス対策本部会議開催
健康医療部長
「増加傾向にあります。」「1週間単位の感染者数で言いますと、ちょうどミナミ地区への休業要請を決定させていただいた週を上回る合計感染者となっております。」
「重症患者が非常に急増しているというのが現状です。」「患者数の発生状況でありますとか重症者が非常に急増しているのが現状です。」「10月14日から感染の拡大傾向となっている」
「陽性者の年齢区分につきましては、第2波のはじまりは、若い方、20代30代の方が急増して、その後、年配の方に感染が拡大するという状況でしたが、今回はそういった際立った特徴はございません。全年代にばらついて感染が拡大しているという状況です。」
「第2波のスタート時点のように8割以上の方、夜の街滞在者が占めるという状況にはございません。ただし増加傾向にはあります。」
「7月時点ではミナミが非常に多く発生しておりましたが、現在これまでの最新のデータではキタとミナミがだいたい同数程度。」
「事業所内(いわゆる職場)での感染者が増えております。」
「旅行に参加されたという方の感染も増えております。」
「それぞれ様々な場面での感染が散発的に起こっているというのが今回の拡大の特徴です。」
「大学も含めた学校でのクラスターも連続して起こっています。」
危機管理監
「第2波の時の、滞在エリア別でキタとミナミが突出して陽性患者多かったわけですけども、今回そのような状況になっていない。」
健康医療部長
「色々な場面で感染が起こるようになっている。」
「無症状の感染の方が一定数いらっしゃるという前提での感染対策が必要になってくる。」
「特定の拡大原因をこれという特定ができないということで、今大変対策が難しい時期になっている」
11月19日
大阪市長定例会見
高齢者が入院させてもらえていない現実が記者の質問により発覚する。
吉村知事「大阪全体で救急病床のトリアージをしていく」と発言
11月20日
対策本部会議開催 イエローステージ2へ移行
・新規陽性者数が増加傾向
・重症病床使用率が概ね35%以上で推移している
ことで基準に達したと判断された。
11月21日
吉村知事 大阪維新の会代表に就任(松井代表辞任)
ウェークアップ、生出演
11月22日
#維新に殺される トレンド入り
12月3日
対策本部会議開催 レッドステージ1へ移行(赤信号点灯)
・重症病床使用率が上昇傾向にあり、その病床使用率が70%に達する見込みであることから判断された。
情報源
第30回 大阪府新型コロナウイルス対策本部会議 【資料1-1】現在の感染状況・療養状況について (21/24ページ)
第30回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government]
(1)現在の感染状況・療養状況
対策本部会議開催まで(~11/11)に起きていたクラスターは、
10/14 (81人)堺市医療機関関連クラスター
10/16 (7人)堺市医療機関関連クラスター
10/26 (36人)大阪市高齢者施設関連クラスター
10/27 (51人)豊中市医療機関関連クラスター
10/29 (15人)松原市高齢者施設関連クラスター
10/31 (21人)大阪市医療機関関連クラスター
11/1 (21人)泉佐野市医療機関関連クラスター
11/1 (17人)大阪市高齢者施設関連クラスター
11/6 (13人)大阪市高齢者施設関連クラスター
11/7 (13人)吹田市高齢者施設関連クラスター
11/9 (15人)大阪市高齢者施設関連クラスター
医療法人 錦秀会 阪和第二泉北病院
https://kinshukai.or.jp/hanwadaini/wp01/wp-content/themes/hanwasenboku/assets/image/corona_1030.pdf
富岳 マスクの防御効果を解析 マウスガードではエアロゾルが漏れる〈2020/10/14〉
富岳、カラオケや居酒屋などでのマスクの防御効果を解析 – PC Watch (impress.co.jp)
- 最終日10/31までマウスガードで活動し続けた維新の会
当時の実行再生産数
令和2年度予算〈大阪市HP フリップ18〉
- 1億8549万円
gaiyou01.pdf (osaka.lg.jp) 12ページ
大阪府予算編成過程公表 ナイトカルチャー魅力創出事業費〈大阪府HP〉
- 2億4096万円
https://www.pref.osaka.lg.jp/yosan/bizlist/index.php?acc=1&bizcd=20170660
厚生労働省 事務連絡 令和2年11月16日
- 医療機関、高齢者施設等の検査について(再周知)
(令和2年度)新型コロナウイルス感染症の発生防止対策に係る通知等について/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government]
コロナ感染者急増の大阪 増床計画で誤算 〈毎日新聞 2020/11/18〉
https://mainichi.jp/articles/20201118/k00/00m/040/361000c
※コロナ対策が後回しにされてしまったことで、今までにない規模の第3波を経験することとなります。11月19日には、大阪市ではそれまで全員入院だった高齢者が施設での療養を余儀なくされている事実が明るみになりました。
厚生労働省 事務連絡 令和2年11月20日
(令和2年度)新型コロナウイルス感染症の発生防止対策に係る通知等について/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government]
- クラスターが複数発生している地域における積極的な検査の実施について(要請)
- 高齢者施設等への重点的な検査の徹底について
健康医療部の訴えを無視? 大阪・吉村府知事のスピード感ないコロナ対策に大ブーイング〈東スポ 2020/11/25〉
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/213708?page=1
大阪知事「病床トリアージやる」 重症者増加で方針〈産経新聞 2020/11/19〉
大阪維新、新代表に吉村知事 都構想否決で松井氏は辞任〈朝日新聞2020/11/21〉
https://www.asahi.com/articles/ASNCP53MNNCPPTIL008.html
トリアージ発言が物議 吉村府知事は医療崩壊を防げるのか〈日刊ゲンダイ 2020/11/24〉
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/281741
吉村知事「トリアージ」発言巡り「一部のアンチが」「命の選別とは全く違う。病床の最適化」〈デイリー 2020/11/24〉
https://www.daily.co.jp/gossip/2020/11/24/0013888807.shtml
参照:耕雲釣月さんのTwitter、吉村知事ウェークアップ生出演回
選挙ウォッチャー ちだいさん〈ハーバー・ビジネス・オンライン 2020/11/23〉
大阪府保険医協会は大阪府と大阪市に対して下記の緊急要望書を送付〈2020/12/11〉
陽性者を2週間放置…大阪の老人施設でクラスター続出の理由〈女性自身 2021/02/04〉
大阪介護老人保健施設協会・木場康文事務局長
「死亡者が増えているのは、高齢者施設のクラスター化を放置しているから。そう伝えるため、昨年8月から4度にわたって吉村知事宛てに『新型コロナウイルス発生施設に関する緊急要望』という要望書を提出してきました。しかし返答はいっさいなく、すべて無視されました。行政側の対応にも、何の改善も見られませんでした」
「私たちは大阪府に何度も『高齢者施設での感染者は、たとえ無症状であってもすぐに入院させてください!』と訴え続けてきました。」