難波宮(なにわのみや)は、飛鳥~奈良時代にかけて、大阪が日本の都であったことを示す前後期の宮殿の跡だ。まだまだ発掘途中で保存状態も良好な調査中の「史跡」だったのだが…
吉村氏らは難波宮を「空地」「もったいない」として、民間委託(パークPFI)でカフェやレストランなど作る計画が始まった。
二重行政だとして、黒字運営だった「市文化財協会(市文協)」も解散。
所有していた大量の貴重な蔵書は、国内に引き取り手がなく、韓国に譲渡。
市文協が得意とする遺物の保存処理技術も継承されなくなる見込みだ。
まだまだ大阪市内は大規模な再開発や地中を深く掘り返すような建設が数多く進行、計画されており、歴史的価値を帯びた、まだ見ぬ遺跡が発見される可能性が高いのだが…
史跡を空地として扱い、商業施設ができたとアピールする吉村氏
どうなる大阪の遺跡発掘・保存 二重行政解消で解散の市文化財協会、黒字経営でも容赦なし<産経新聞2024/11/22>
大都市である大阪の地中には、いまだ解明されず謎に包まれた遺跡が数多く眠っている。
7~8世紀に都が置かれ、「日本」という国号や元号の使用が始まったとされる国指定史跡「難波宮跡」など、歴史的に重要な遺跡も多い。これらの遺跡を発掘・調査してきた大阪市の外郭団体「市文化財協会(市文協)」が今年度末で解散する。
地域政党「大阪維新の会」が進めてきた大阪府市の二重行政の解消による余波だ。市文協が得意とする遺物の保存処理技術も継承されなくなる恐れがあり、今後の文化財保護行政の課題になりそうだ。
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市文協の解散は平成25年、当時の橋下徹市長らが進めた二重行政の解消を目的とする府市統合本部会議で方針が決まった。
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市文協を管轄する市経済戦略局は解散理由について「外郭団体の整理の一環」と説明するが、市文協の担当者は「府市で重複している事業はなかった」と反論している。市文協によると、これまで府内の発掘調査や研究、遺物の展示などは、大阪市とその他の自治体ですみ分けられていたという。
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大阪市内では大規模な再開発や地中を深く掘り返すような建設が数多く進行、計画されており、歴史的価値を帯びた、まだ見ぬ遺跡が発見される可能性が高いという。
市文協の担当者は「大坂城周辺や難波宮周辺、上町台地など、縄文から中世にかけての日本の歴史をたどる上で重要な遺物がたくさんあることが推測される」と話す。
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一方、市文協は独自の遺物の保存技術も有する。…海外の研究機関から視察に訪れるほどだ。
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「基本的には黒字経営。市文協は市税を投入して運営しているわけでもなかったのに、なぜ解散を迫られたのかわからない」と担当者は憤る。
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十数万の蔵書を韓国に譲渡さらに市文協の十数万冊に及ぶ蔵書は国内での引き取り手が見つからず、韓国の研究機関に譲渡が決まっている。担当者は「貴重な資料。本来であれば国内に残しておくべきものだった」と肩を落とした。
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発掘調査等を行ってきた大阪市文化財協会は、2025/3/31で解散
これまで当協会が行ってきた発掘調査業務を、自治体監理への移行を前提に民間活力の導入を図るなど整理再編するという大阪府市統合本部で示された方針に基づき、当協会は2025年3月31日で解散することとなりました。