2021年春、医療機関で新型コロナウイルスの感染が判明した場合には保健所からの聞き取り調査が行われていました。しかし、大阪市では「新型コロナウイルスに感染しても保健所から連絡がない」という事態が相次いでいました。その原因として急激な患者の数の増加と、それに見合う職員の確保がなかなか難しいこと等が語られていました。患者から症状などを聞き取る調査を担当していた当時の職員の7割以上が配属されたばかりだったことも分かっています。
保健所職員が独白”患者を放置せざるを得ない現状” 午前2時半過ぎても消えない保健所の明かり「職員を増やしてほしい」〈MBS 特命取材班スクープ 2021/5/11〉
大阪府では今年3月からの「第4波」で17人が自宅療養中に症状が悪化して死亡。このうち2人は病院などで感染が判明したあと、保健所から入院先などの連絡がある前に死亡したということです。
大阪府では4月13日以降、新規感染者が1日1000人を超える日が続き、約半数を大阪市の感染者が占めている。大阪市保健所で、1日に連絡を取れる患者数は約150人。
GWの連休前には800人~900人の待ち。1週間以上、連絡できていなかった現状があった。
https://www.mbs.jp/4chantv/news/scoop/article/2021/05/084025.shtml
「疫学調査」の担当の職員31人のうちの23人(7割以上)が先月の人事異動で新たに配属された職員で、中でも10人は新規採用の職員だったということです。
松井元市長は「今、保健所の体制についても大阪市役所の中でさらに拡充」と4月30日の会見で体制の強化に言及したものの、実際にGW前の4月26日に保健所の疫学調査に増員されたのはたった“6人”でした。
大阪の自宅療養者、1か月で3・5倍…自宅で死亡する感染者急増 〈2021/5/11〉
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210511-OYT1T50071/
自宅で亡くなったのは17人で、年代は30歳代が1人、50歳代3人、60歳代6人、70歳代2人、80歳代5人。
大阪市保健所 新型コロナウイルス感染症対策の体制強化について
https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/cmsfiles/contents/0000008/8442/kantai1.pdf