2023年1月9日 淀川河口で見つかったオスのマッコウクジラは「淀ちゃん」と名付けられ、市民の人気者に。しかし4日後に死亡が確認されました。
死亡確認された1月13日、松井氏は「撤去の方法を協議する」としていました。
同じ13日、大阪市立自然史博物館は、大阪市に対し「学術的な価値がある。費用も安く済むので埋設して標本にしたい」と要望を伝えました。
大阪市自然博物館の大阪市への要望メール概要は以下の通り。
・「クジラ調査」で申請すれば、日本鯨類研究所の調査事業費で賄える。
・処分のかなりの部分を水産庁の資金で賄える可能性が高い。
・骨格標本の運搬費も自然史博物館で負担する。
・これほど新鮮な状態で分析できる事例はほとんどない。
・多くの研究者が資料として注目している。
・骨格だけでなく、内臓も分析でき、海洋汚染などの影響も評価可能。
・このサイズのオスの標本を所有する自然史博物館はほとんどない。
・処理する場合、骨を処分するのが問題になるが、標本にするなら処理のボリュームがかなり減る。
・2025年万博の「目玉展示」にもなりえる。
と、「大阪市の負担も減る」「埋設して標本にしたい」と大阪市に対し、具体的に要望をしていました。
しかしなぜか3日後17日に海洋投棄と決定。19日に紀伊水道沖に沈められました。
松井氏は「標本の引き取り希望がない」「海に返してあげたい」と説明。
本当に自然史博物館の要望を聞いていなかったのでしょうか…?
大阪市資料によると「埋設する場所がない」ことを理由としていますが、万博会場の夢洲は、現役の最終処分地です。
また、一年後の2024/2月、ふたたびクジラが大阪湾に現れ、残念ながら死亡してしまいました。
吉村知事も「埋設場所が確保でき、大阪自然史博物館が標本にしたいと要望があり、海に戻すより費用がかからない」とし、埋設を選択。
2023年にはなかったはずの埋設場所がなぜか、2024年には場所があったのです。
2021年にもニタリクジラが死亡しましたが、これも同じく堺市の埋立地に埋められています。
2023年だけなぜ…?
本当に埋める場所はなかったのでしょうか?
2025年万博にちょうど淀ちゃんの標本ができる時期。万博の目玉展示にもなりえたはずです。
その後、大阪市の試算3774万とされた費用の2倍を超える8000万円もかかっていたこと。
職員OBが在籍する業者へ口利きしていた可能性があるなどの問題も出てきました。
淀ちゃん処理費用の8000万のうち1400万円、補助金がでました。
2024年クジラの埋設費用は1500万円と発表されています。
淀ちゃんを埋設していれば、1500万のうち1400万円補助金が出たのでは…?
淀ちゃんは、大阪市負担100万円で、大阪万博でみんなと会えたかもしれないのに。。。
※これらの3ケースは何れも大阪港湾局が対応しています。
※ 吉村知事は淀ちゃんの海洋投棄を「発見から死亡まで時間が無かったため」とも説明しています。
しかし、2021年のニタリクジラも、2月9日に発見され11日に回収し係留。17日に埋設された事から、吉村知事の指摘は的外れです。
大阪市西淀川区の淀川河口付近に入り込んだクジラが死んでいるのを、港湾を管理する同市などが13日確認したことを受け、松井一郎市長は同日午後、報道陣の取材に「かわいそうだが、あのままでは腐敗するので、撤去しないといけない。方法について今から協議する」と述べた。
朝日新聞「死確認の「淀ちゃん」 松井市長「かわいそうだが撤去しないと」」2023/1/13
自然史博物館が「費用負担も減少、学術的価値もあり、万博の目玉展示にもなりえる。埋設して標本にしたい」と大阪市に要望<2023/1/13>
https://twitter.com/postmankaiji/status/1623299488915013633
引取り希望をスルーし、「標本の引き取り希望がない」と松井氏は説明。「海に返してあげたい」とし、沖合へ曳航する方法へ<2023/1/20>
松井氏は、クジラを地中に埋めて骨格標本をつくる処分方法について、展示施設などから標本の引き取りを求める申し出もないことから、「海に帰してあげたい」と説明。
2023年1月のマッコウクジラのストランディングと標本化に関する経緯について<大阪自然史博物館による説明>
「埋設できる場所がない」として、沖合に運び改定へ沈下する」と決定。本当に場所はなかったの…?
クジラ「淀ちゃん」海洋沈下に8千万円 大阪市の処理費用<産経新聞2023/4/3>
死骸の処理費用が約8千万円かかったと発表した。市は死骸の埋設や焼却なども検討したが、その大きさや悪臭から断念し海へ沈めていた。
市によると、死骸処理の業務委託先は海運業「昭陽汽船」(同市港区)。費用の内訳は、同市此花区の淀川河口に流れ着いた死骸を区内の岸壁まで船でひく作業に約200万円▽岸壁のクレーンで死骸をバージ船(はしけ船)に積み込む作業に約1300万円▽岸壁から紀伊半島沖へ死骸を運び沈下させる作業に約6500万円-。このうち1400万円は、死骸の調査に当たった一般財団法人「日本鯨類研究所」からの補助金を充てる。
https://www.sankei.com/article/20230403-E2OSBFDIJZIVHFKMYDSM34XBCE/
「淀ちゃん」の処理費用、大阪市試算の2倍以上…市長らに相談なく増額要求に応じる<読売新聞2023/12/31>
死骸の処理費用(8019万円)は、大阪市の試算の2倍以上だったことが、読売新聞の情報公開請求で明らかになった。市の担当部署は、市の基準で金額を決めることで業者と合意していたが、市長ら特別職に報告しないまま、緊急性や特殊性があるとする業者側の増額要求に応じていた。
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同局は並行して顧問弁護士に対応を相談。やり取りの内容は公開しなかったが、関係者によると、顧問弁護士は「業者は市の基準で処理することを納得して受けたのだから、業者の言い分を受け入れる必要はない」と指摘。交渉がまとまらない場合、訴訟などの方法もあるとし、当時の松井一郎市長や副市長に早急に相談することを助言した。しかし、同局は松井市長らに相談しないまま、ハーバータグでの試算を受け入れ、想定金額を8063万円に引き上げた。
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関係者は「曳船作業を頼める業者は少なく、関係を悪化させたくないという意見が強かった」と話す。
…山口県は業者の見積もり使わず
自治体が自らの基準に沿ってクジラの処理費用を決めたケースもある。
山口県が2020年3月、萩市に漂着したクジラ(体長約13メートル)の死骸を海洋投棄した際には、土砂の運搬を依頼する基準で費用を算出し、委託業者の見積もりは使っていないという。契約金額は272万円。引き船は1隻で、移動距離は約10キロだった。
県萩土木建築事務所は「資機材は普段の土木工事で使うものと変わらず、従来の基準を当てはめるべきだと考えた」と説明した。
堺 大阪湾のクジラ死ぬ 大阪府 一時的に埋設する方針<NHK2024/2/19>
大阪府は、クジラの対処方法について検討する会議を開き、▼解体する必要がなく現場での作業が短期間で済むことや、▼1年から2年後に掘り出して骨格標本として活用できることなどから、一時的に埋設する方針を決めました。
府は、港に隣接している府の産業廃棄物の最終処分場に埋設する
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【大阪知事“3点を理由に埋設を選択”】
大阪府の吉村知事は、記者団に対し、「地元の関係者と協議して了解を得た適切な埋設場所を確保することができ、大阪市の自然史博物館から骨格標本として価値が高いので確保してもらいたいという申し出もあった。そして、海に戻すより費用がかからないという3点を理由に埋設という方法を選択した」と述べました。2021年に死亡したクジラは堺市の埋立地に埋設。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20240219/2000082140.html
2021年にニタリクジラが大阪湾で死亡し、1年5か月の地中生活の中で微生物の作用により、鯨の体は肉が溶け、骨が露出した状態へ。堺市の埋立地に埋設され2022年12月に掘り起こされています。 骨は大阪市自然博物館とホネホネ団が研究材料にしました。
<大阪府HP2022/12/20>続編:漂流した死体鯨の対応について