吉村知事が「どんな家庭環境で生まれても、どんな家庭状況になっても、子供の数が何人いても、子供が自分の学びたい学校、学びたい道、学びたい将来をできる限り選択できる社会を目指したいと思います。」とツィッター投稿。ちなみに現在は国の施策により、公立高校は全国どこでも誰でも授業料無償です。
しかし、大阪府は「1人でも定員割れが3年続けば、府立高校を統廃合する」という条例が橋下知事時代にでき、この10年間ですでに17校が廃校になっています(予定含む)。さらに北野高校といった人気高も定員を減らしており、公立高校に入れない生徒が増え続けています。
なお、この公立高校の縮小は少子化によるものではありません。
この10年間で公立高校の募集人員が 8425名減ったのに対し、 私立高校の募集人員は 6651名増えおり、少子化により減少した学生数よりはるかに多くの公立高校募集人員を削減していることが分かります。
大阪は維新の会の教育改革によって、むしろ「誰でも学べる社会」から遠のいているのです。
大阪府公立高校入試2023 一般入学者選抜 志願倍率『確定値』全日制 全校掲載 春日丘・三国丘・豊中は引き続き高倍率 北野は1.26倍
大阪府内の公立高校の2023年度入学の一般入学者選抜の出願が締め切られました。教育庁によりますと、全日制で選抜を行う134校の募集人員3万4280人に対して、3万8750人が出願し、平均倍率は前年度の同じ時期と比べて0.01ポイント増加し、1.13倍だということです。
〈TBS NEWSDIG 2023/3/7〉
〈参考〉
“維新”が進めた「教育改革」で消えゆく大阪府立高校 10年で17校が廃校に… 高校がなくなる市も〈関西テレビ「報道ランナー」2022/9/20〉
3年連続の定員割れなどで、府立高校を廃校対象にするという「大阪府立学校条例」により、10年で17校が廃校となる可能性があります。
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〈関西テレビ「報道ランナー」2022/9/20〉
8月、大阪府教育委員会は、定員割れが続く大阪市の平野高校、東大阪市のかわち野高校、堺市の美原高校の府立高校3校の入学者の募集を、2024年度に停止する計画案を公表しました。3校はそれぞれ近くの高校に統合し、授業の特色などを継承する計画で、11月に最終決定します。
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2012年、大阪府は、3年連続で定員割れした改善の見込みのない府立高校を「閉校」、いわゆる「廃校」の検討対象にする「条例」を制定しました。
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この高校の教員(廃校が決まった阪南市・泉鳥取高校)は、「廃校決定後も130人の入学者がいた。公立高校は採算性が取れなくても存在する意味がある。廃校には今でも腹立たしい思い」と憤ります。
…【阪南市 水野謙二市長】
「大都会を中心にして周辺の市町から高校がなくなってしまうようなルール(条例)なんです。(人口の)ベクトルが減っていってるときに、どんな風にして町が成り立つのか、そのときに府立高校がどういう役割を果たすのかという風に議論を切り替えていかないといかん。今のルールが時代に合っていない」
…【大阪府 吉村洋文知事】(8月29日)
「今後も少子化の中で子供たちが充実した教育を受けられる環境づくりに努めたいし、それに伴う再編整備は必要だろうと思っています」
…阪南市の泉鳥取高校は、平成31年度がマイナス15人、令和2年度がマイナス1人、令和3年度がマイナス80人と、3年連続で定員割れとなったため、廃校が決定しました。
そもそも「高校無償化」とは?
まず、高校無償化制度の概要を整理しておきましょう。近年話題になっている高校無償化の制度とは、どのようなものなのでしょうか。
「高校無償化」は「高等学校等就学支援金制度」のこと
高校無償化制度の正式名称は、「高等学校等就学支援金制度」です。2010年に開始した国の制度で、受給資格を持つ生徒には国から支援金が出るため、高校の学費が実質無償になります。
…国公立の高校なら授業料が実質無償に
国公立の高校の授業料は、全日制の場合は年間で11万8,800円(月額9,900円)、定時制高校・単位制高校は1単位あたり年間330円です。
そのため世帯年収が910万円以下の家庭では、支援金制度を利用することで授業料が実質無償になります。
…2020年4月から「私立高校授業料実質無償化」がスタート
高校無償化制度の改正前は、公立高校に通う場合の支援額(年間11万8,800円)に、保護者の所得に応じて3段階で支援額が加算される仕組みでした。
〈明光プラス 2021/3/22〉
しかし支援金の加算のみでは、公立高校と比べて高い私立高校の授業料はカバーできませんでした。支援金が加算される家庭でも、私立に通う場合は完全な無償化にはならず、差額を負担せざるを得なかったのです。
2020年4月に制度の内容が大きく変わり、原則として年収約590万円未満の世帯は高等学校等就学支援金の上限額が上がり、年間39万6,000円(=私立高校の授業料相当額)が支給されることになりました。