日本維新の会の池下卓衆院議員(48)が、地元の大阪府高槻市議だった男性2人を市議の任期中、公設秘書として採用していたことが分かりました。2人が兼職した期間は約4カ月~約1年半で、この間秘書給与と議員報酬を二重で受け取っており、池下議員は兼職の届け出をしていませんでした。
全体の奉仕者であるはずの公設秘書(国家公務員)も市議会議員も片手間でこなすような仕事なのか、という倫理的な問題はもちろん、原則として公設秘書は国会議員秘書給与法で兼職が禁止されており、無届けで兼職させていたことは違法行為にあたる疑いがあります。
池下氏はブログで「指摘がなければ気が付きにくい」と言いますが、兼業の届け出は、公設秘書手続きの一環として申請するため、届け出をわざわざするものではありません。提出書類の一覧にあるのに「気が付きにくい」とは…?
実態のない「二重行政」をお金の無駄だと叩き続けた維新の会による二重報酬問題。X(旧Twitter)などにも「うっかり忘れる類のものではないはずだが」といった疑問の声が溢れています。
維新・池下議員、公設秘書に2市議を採用 兼職届けず「二重報酬」〈毎日新聞 2023/9/18〉
日本維新の会の池下卓衆院議員(48)=大阪10区=が、地元の大阪府高槻市議だった男性2人を市議の任期中に公設秘書として採用していたことが明らかになった。2人が兼職していた期間はそれぞれ約4カ月~約1年半で、いずれも税金が原資の秘書給与と議員報酬を二重で受け取っていた。うち1人は2022年中に総額約2000万円の報酬を得ていた。
〈毎日新聞 2023/9/18〉
国費で給与がまかなわれる公設秘書の兼職は、04年の国会議員秘書給与法改正で原則禁止された。議員が許可すれば認められる例外規定があるが、池下氏側は同法で義務付けられた「兼職届」を衆院議長に提出していなかった。池下氏は取材に秘書の兼職を認め、「2人とも休日返上で秘書としても一生懸命働いており、報酬面の問題はない」と説明。池下氏の事務所は「届け出書類の提出を忘れていた。情けないミスで本当に反省している」と陳謝した。国会議員は公設秘書を計3人まで雇うことが可能で、政策秘書と第1秘書、第2秘書と呼ばれる。3人は国家公務員特別職に位置づけられ、国から支払われる給与額は年齢や在職期間で決まる。(中略)
日本大の岩井奉信名誉教授(政治学)は兼職について「国家公務員として公設秘書の仕事に専念すべきだ。兼職なら市議の仕事も片手間になるのではないか。兼職できるという認識自体が信じられない」と批判した。
なお、2021年にも日本維新の会・馬場代表の公設第一秘書・第二秘書が無許可で堺市のNPO法人と兼業していたことが報じられており、馬場代表は以下のような謝罪ツイート(現X)をしています。今回、またしても維新の無許可兼業が明るみに出たことになります。
池下卓氏は「指摘がなければ未提出に気付くのが難しい」というが…
先日、新聞社からの指摘を受け、すぐに議員会館の政策秘書に届け出の事実を確認しました。本人の記憶が曖昧であったため、衆議院事務局に問い合わせた結果、指摘の通りに兼職届けが提出されていなかった事実が判明しました。兼職届けを提出する役割を担っていた秘書本人からは、自身の事務的なのミスであることに深く反省する旨の報告を受けました。ただし、指摘がなければ未提出の事実に気付くのが難しい制度であるとのことで、今後は、このような過失が再び生じないよう、十分な注意を払う覚悟を持っております。
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