“人権軽視” 維新市政が追い込んだ「リバティおおさか」廃館

#ひどい施策
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“差別と人権”をテーマとした博物館、「リバティおおさか」は、2023年3月、再開を断念すると発表しました。

こうした事態に追い込まれたきっかけは、2008年に大阪府知事だった橋下徹氏が、「差別や人権などネガティブな部分が多い」と展示内容を問題視したことでした。府市からの運営補助金が廃止されるなど一連の経過の末、休館。2021年、土地(市有地)を明け渡すために博物館の建物は解体されました。市有地は、もともと被差別部落出身の有志が土地や資金を出し合って整備した旧大阪市立栄小学校の跡地でした。博物館を運営する財団は、別の場所での再開を目指していましたが、資金面で難しく断念することに。

識者からは、“リバティおおさかは「時の流れ」で閉鎖したのではなく、補助金を出す行政の側が難癖をつけて閉鎖に追い込んだ”などの批判の声があがりました。

目次

リバティおおさか、再開断念 資料3万点は大阪公立大に寄贈へ

差別と人権をテーマとした大阪人権博物館(リバティおおさか)の所蔵資料約3万点について、運営する公益財団法人は30日、大阪公立大に寄贈する方針を明らかにした。大阪市浪速区にあった同館施設は解体され、新たな場所での再開を目指していたが、断念した。資料を人権教育や研究に活用・展示してもらうため、2025年度以降をめどに寄贈する方向で大学と協議する。

同館は大阪府、大阪市、部落解放同盟府連などの出資で1985年に開館した。部落差別をはじめ、在日コリアンやアイヌ民族、沖縄問題、ハンセン病など幅広いテーマに関する資料を収集・展示してきた。

〈毎日新聞 2023/3/30〉

https://mainichi.jp/articles/20230330/k00/00m/040/209000c

参考:戦史/紛争史研究家・山崎雅弘氏のツイート〈2023/3/31〉

橋下徹氏と維新勢力が、いかにして大阪人権博物館「リバティおおさか」を潰したかという説明。維新という政治勢力は、人権を軽視する集団です。慰安婦問題への対応でも露骨なように、彼らは人権を踏みにじる側。

参考:大阪公立大学教員・住友陽文氏のツイート〈2023/3/30〉

リバティおおさかは「時の流れ」で閉鎖したのではなく、補助金を出す行政の側が難癖をつけて閉鎖に追い込んだのです。

大阪人権博物館が更地に 2022年の再開はめど立たず

リバティおおさかは、1985年、大阪市の市有地に部落問題を扱う大阪人権歴史資料館として開館。市有地はもともと被差別部落出身の有志が土地や資金を出し合って28年に整備した旧大阪市立栄(さかえ)小学校の跡地で、市は財団に無償で提供した。資料館は95年に拡充され、展示は民族、障害者、性別などの人権問題にも広がり、館名も変更された。

立ち退きは、2008年に大阪府知事だった橋下徹氏が展示内容について、「差別や人権などネガティブな部分が多い」と問題視したことが端緒になった。橋下氏が大阪市長に転じた後の13年、財政改革の一環だとして府市の運営補助金が廃止され、15年に市有地は有償化された。財団は大阪市に無償の継続や大幅な賃料減免を求めたが受け入れられず、昨年6月、市との間で、市有地を更地にして明け渡す一方、約1億9千万円の土地賃料が免除される和解が大阪地裁で成立した。

〈朝日新聞 2021/9/20〉
朝日新聞デジタル
大阪人権博物館が更地に 2022年の再開はめど立たず:朝日新聞デジタル  昨年6月に休館した大阪人権博物館(リバティおおさか、大阪市浪速区)の建物を解体し、更地にする工事が今月末で終了する。6月末に終了予定だったが、コロナ禍の影響で大...

「ネガティブ、偏向」と補助削減 展示に口出しする維新

博物館をめぐる状況が大きく変わったのは、橋下氏が大阪府知事に就任した2008年だ。橋下氏は「展示内容が分かりにくい。公金を投入する意味を感じない」「差別、人権などネガティブな部分が多い」と見直しを求めた。府と市は13年、年間計1億~2億円程度だった運営補助金を全廃した。橋下氏は財政改革の一環として大阪市長時代の15年、博物館を運営する財団に対し、無償提供していた市有地からの立ち退きと賃料相当の損害金の支払いを求めて大阪地裁に提訴。財団は「行政権力の乱用」と反論したが、地裁は今年3月、市が賃料相当の約1億9千万円を免除する代わりに、財団が土地を明け渡すという和解案を提示し、双方が受け入れた。

博物館に関する法制度に詳しい桃山学院大学の井上敏・准教授は「言論や表現の自由を守るためには、政治や行政は文化に金は出すが口は出さないという『アームズ・レングス』の原則が徹底されるべきだが、今の日本ではこうした意識が十分に確立されていない」と指摘する。

〈朝日新聞 2020/5/26〉
朝日新聞デジタル
「ネガティブ、偏向」と補助削減 展示に口出しする維新:朝日新聞デジタル  部落問題を中心に人権問題を総合的に取り上げてきた大阪市浪速区の大阪人権博物館(リバティおおさか)が、最後の一般公開を終える今月末、35年の歴史にいったん幕を下ろ...

「リバティおおさか裁判」と休館に至る経緯について〈リバティおおさかHP〉

http://www.liberty.or.jp/cp_pf/index2015.html

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