兵庫県の未来のため、百条委員会で語るつもりだった元局長の自殺はなぜだったのか。
内部告発者を元局長と特定し、人事課はパソコンを押収。
内部告発と無関係の部分を公益通報者保護法に違反する調査をして手にした情報を流布したり、それでもって脅しをかけていたという。
職員が自主的に法律違反をするとは考えにくい。一体これはだれの指示だろうか…?
また関係ない資料の開示を求めることは、兵庫県の情報公開条例違反に当たるが、
維新の県議のみ「得られた資料は全て開示すべき」と主張。
さらに何が書いてあるか知っているかのようだった。
複数の県議や県職員によれば、同じころ、維新の県議から、「元局長をつるし上げてやる」といった発言を聞いたという証言もある。
百条委員会の設置も、維新は反対。
内部告発に関係ない部分の非開示に、反対したのは維新だけ。
プライベートの流出リスクがなければ、元局長は存命だったのではないか。
そして、維新県議の行動は、内部告発が事実だと裏付けているようなものではないか。
斎藤知事のパワハラを告発した兵庫県元幹部が死亡 百条委員会出席で紛糾していたプライバシー問題<デイリー新潮2024/7/10>
3月25日、県民局長が勤務する西播磨県民局に副知事と人事課長が乗り込みました。神戸にある県庁舎と西播磨県民局は100キロ以上も離れているのですが、そこへアポなしで訪れ、県民局長のパソコンを押収していったのです」
パソコンには配布された告発文のデータが残っていた。県民局長はその内容について特に問われることがないまま、2日後の27日に局長を解任され、4日後の退職予定を取り消された
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「元県民局長の個人攻撃をすることで、告発文が信用できないものとしたかったのかもしれません。それが誰によるものかは言いませんが、緊急理事会で無関係の資料を非開示とすることに反対したのは日本維新の会の議員だけでした」
…百条委員会設置に反対していたのも維新の議員たちだった。
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そもそも兵庫県の情報公開条例には個人として他人に知られたくない情報については非公開と言うことが定められていますから、条例違反に当たります。言っていることは滅茶苦茶ですし、資料の内容を知っているような言い方もおかしい」
「告発を握りつぶそうと」「秘密を暴露して」“パワハラ・おねだり兵庫県知事” 亡くなった告発者が受けていた卑劣な攻撃《取材記者が解説》<2024/7/23>
驚くべきことに、4月ころから県の総務部長や産業労働部長が、X氏の極めて私的なデータを県職員や県議に見せて回っていたと、複数の県関係者が明かしている。
「産業労働部長から文章の内容を見せられた関係者は、『もしアイツ(X氏)が逆らったら、これの中身、ぶちまけたるねん』と、産業労働部長から強い言葉を聞かされたというふうに証言してくれました」(前出のO記者)
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告発とは無関係なプライベートなデータを利用し、知事の側近たちは何をしようとしていたのか。「一言で言うと、今回のXさんの告発を握りつぶそうとしたのではないかというふうに見ております。Xさんが命を絶ってでも守りたかった秘密を暴露することによって、その人間性を貶めたり、告発文書の信頼性というのを下げたりするのが狙いじゃないのかと、今回の取材を通してみえてきました」(同前)
斎藤兵庫県知事のパワハラ告発の元局長死亡 「つるし上げる」と維新議員から糾弾されていた<AERA.dot 2024/7/13>
6月末に元局長に直接取材した際、
「百条委員会で語ることが兵庫県の未来のためになると信じている」
と前向きに語っていた。その後、何があったのだろうか。
元局長が百条委に「申し入れ」
元局長は7月初めに、弁護士を通じて百条委員会に対して「申入書」を出していた。
〈(百条委員会の)委員の一人から人事課調査にかかる資料はすべて開示されるべきだとの発言があった〉
などと記され、内部告発と無関係の部分は百条委員会で公開しないように求める申し入れだった。
実は、6月14日の百条委員会の初会合で、維新の県議から、
「人事課による調査に対していろいろな疑念の意見が寄せられている。この審議過程を明らかにすることが必要だと思うので、人事課の調査、そこから得られた資料は全て開示をしていただきたい」
として、元局長の公用パソコンのデータすべての開示を要求する発言があった。
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また、複数の県議や県職員によれば、同じころ、維新の県議から、
「元局長をつるし上げてやる」
といった発言を聞いたという証言もあった。
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維新は県政与党として斎藤知事を支え、知事の疑惑を調べることになる百条委員会の設置については、自民の大半の県議が賛成にまわった一方、維新は反対した。
告発した元局長に「身勝手な論理だ」7月8日午前、百条委員会は臨時で理事会を開催し、元局長の申し入れについて検討をした。この時点では、まだ元局長が亡くなったことは知らされていなかった。
その席上、理事を務める維新の県議から、次のような発言があったという。
「告発文書には、斎藤知事の自宅や好き嫌いなどの記述がある。プライベートなことを取り上げているのだから、(元局長が)自らの調査結果はプライベートな問題だから公開しないでとは、あまりに都合のいい身勝手な論理ではないか」
「パソコンの所有者は兵庫県、データも兵庫県のものだ」
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その後、論議が重ねられたが、維新の2人の県議が「すべて公開」の主張を変えなかったため採決となり、4対2で元局長の申し入れを受け入れることになったという。
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『表に出ると頑張っている県職員の人事にもかかわり、迷惑をかける』と言っていた。だから自費で弁護士を雇ってまで、パソコンのデータを出さないように求めたのだと思う」
【斎藤知事のパワハラ疑惑】百条委員会で露呈…真相解明を妨害する県庁職員局と維新の会県議<デイリー新潮2024/7/20>
竹内:県職員から寄せられたご意見を紹介したいと思います。「証人として招致された場合の手続きについて、県当局から県職員に通知がなされているその内容について、是非とも百条委員の皆さんにお知らせしたいことがある」ということで内部資料を頂戴しております。その資料を配付させていただきたい。
資料は「百条委員会に関する各種服務について」という文書で、7月12日に県の各部総務課の副課長らを集めた会議で配布されたという。
【守秘義務免除の手続き】には「委員会から職務上の秘密または職上知り得た秘密が含まれる事項について出頭または出席の要請があった職員は守秘義務免除の申請手続きを行う」とあり、「(守秘義務免除の)対象となる内容は最小限のものとする」、さらに「各部総務課宛に申請し、これを各部総務課長が承認する」――。
県当局の調査妨害
竹内:事前に所属する総務課長の承認を取っておかねばならないなどありえない! 県民に告発文書や疑惑の真実を明らかにするために開催される当委員会の調査に、形を変えた人事当局からの調査妨害と言っても過言ではない。
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上野:このところ職員局はおかしい。本来、職員を守るべきが、逆のことをやっている。元県民局長が嫌っていたプライバシーの部分、それも公益通報者保護法違反の調査をやった上で手にした情報を流布したり、それでもって脅しをかけたりしている。結果、追い込まれた元県民局長はああいう結果になったわけですから、本当に職員局は改めてもらわないと。私、4月初旬の代表者会議で人事局長が説明したときに、「あんたらそれは人事権の乱用、あるいは組織的パワハラやぞ」と申し上げたことがあるんですけども、全然その観点が抜けていると思うんで、改めて公益通報者保護法をしっかり頭に叩き込んでほしいと言っておきます。別の会派からもこの文書に関して「呆れ果てた」「アンケートの件数を減らそうとしているんでしょうか」などと声が上がった。
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維新の会の岸口実副委員長