政策活動費をどうするのか。
自民党の裏金問題で再燃している政策活動費の見直し合意について、野党が「自民党案では改善されない」と批判を強める中、馬場代表は「考えが100%通った」とあっさり合意した。
領収書が10年後に公開されても、時効も過ぎている。
それで「考えが100%通った」とは…。
馬場氏は政治団体経由で自身に政策活動費を還流させており、その方法は温存されることとなる。
追記:自公維の賛成で可決。維新を除く野党は「抜け穴だらけ」と批判している。
追記2:馬場氏は「プライバシーを守るため」に黒塗りOKと話し、吉村氏は「10年後ならプライバシーは守れる」と黒塗りに懸念(つまり10年後の公開は賛成)。
「考えが100%通った」と維新代表
共同通信 2024年5月31日 11:57
維新の馬場代表は記者会見で、自民党との政策活動費見直しの合意について「わが党の考えが100%通った。一歩でも二歩でも改革を進めていく」と述べた。
会談で両氏は、自民党と維新の会との間で、政治資金規正の透明性の向上に取り組むことを確認し、合意文書を交わしました。
具体的には、政治資金規正法の改正に向けて、維新の会の求めに応じて、
▽党から支給される「政策活動費」について、年間の使用額の上限を設定し、10年後に領収書や明細書などとともに使用状況を公開するほか、
▽議員自身が代表を務める政治団体に寄付を行った場合は、税制優遇措置を受けることを禁止するとしています。また、
▽国会議員に支給されている旧「文書通信交通滞在費」、今の「調査研究広報滞在費」について、衆参両院の議長のもとに設置される協議の場で議論し、使いみちの公開と残金の返納を義務づける立法措置を講ずるとしています。
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日本維新の会の馬場代表は記者会見で「きのうになって、自民党側から旧『文書通信交通滞在費』、現在の『調査研究広報滞在費』の使いみちの公開と、政策活動費の改革については、すべて丸のみをするので、特別委員会での協力をお願いしたいという申し出があった。この2点について、わが党の考え方が通ったので岸田総理大臣と合意をした。1歩でも2歩でも、改革を進めていくのが日本維新の会の考え方だ。自民党の修正案が提出されれば、基本的には賛成だ」と述べました。
「自民党の2軍以下、補欠以下。裏でお姉が動いたと言われかねない」と明石市元市長も批判
維新議員が与党案に反対する中、トップダウンで岸田氏と合意した馬場代表
裏金に対する各党の態度
菅前首相が、馬場代表と岸田総理との間を取り持ったか
抜け穴だらけの規正法改正案、衆院通過 「領収書10年も残らない」<朝日新聞2024/6/6>
自民案に賛成した日本維新の会を除き、野党からは「自民案は穴だらけ」などの批判が相次いだ。
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「会計責任者にだまされた。気がつかなかった」と主張すれば、議員の責任が問われない可能性がある。立憲民主党の長妻昭政調会長は「会計責任者のせいにして、知らぬ存ぜぬといういつもの言い訳を単に書面に書くものに過ぎず、実効性がない」と批判した。
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改正案では、公開基準を5万円超に引き下げた。しかし、パーティーは年に何回でも開催が可能。このため、毎回の購入額が5万円以下であれば、年間の合計額が5万円を超えても非公開のままだ。
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最たるものが、政党から個人に渡され、公開義務がない政策活動費だ。与党・公明党の幹事長経験者ですら、政策活動費がなくても「活動に支障を感じない」(斉藤鉄夫氏)と指摘したが、野党の要求する禁止は見送られた。代わりに改正案では、領収書の10年後の公開や、年間の上限額の設定が盛り込まれたが、いつから始まるのか、制度をどう運用するかは詰まっていない。
さらに、プライバシーの問題があるとして、領収書の黒塗り公開の可能性も残す。
…無所属の福島伸享氏は、政策活動費の公開のあり方を「検討」とした付則について「検討した結果、何もしないことも許される書き方になっている」と問題視。「意図を持ってやったとしか思えない」
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国会議員関係政治団体の資金を公開基準のゆるい「その他の政治団体」に移し、透明性を低下させる手法も問われた。年間1千万円以上の資金を「その他の政治団体」に移した場合に限り、公開範囲を拡大する内容にとどまった。自民党の茂木敏充幹事長は、22年に約3千万円を移しており、立憲の岡田克也幹事長は「その他の団体を3つ作ればいいだけ」と指摘した
馬場維新代表、領収書の「黒塗り」容認=規正法改正、吉村氏は異論<時事通信2024/6/6>
日本維新の会の馬場伸幸代表は6日の記者会見で、自民党の政治資金規正法改正案に政策活動費の領収書公開が盛り込まれたことに関し、一部の「黒塗り」を認める考えを示した。公開には個人情報への配慮が重要と指摘した上で「プライバシーに関わる部分はマスキングが必要だ」と述べた。
同法改正を巡り、自民は政策活動費の領収書を10年後に公開する維新の提案を受け入れた。馬場氏はこれを踏まえ、黒塗りの具体的な対象について、自民と協議する考えを示した。
一方、維新の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は、府庁で記者団に「10年先(の公開)ならプライバシーは守れる。黒塗りはおかしい」と疑問を呈した。