維新 元公設秘書らが党国会議員を告発「陰でパワハラに泣いているスタッフばかり」

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維新のハラスメント問題は、維新ペディアでも複数回取り上げてきた。その対策として研修を開催すると、会見で吉村洋文氏、横山英幸氏らが説明していた。その時点でも「つい熱くなって」などと、熱心さの余りハラスメントが起きているかのような表現が目立ち、本当にこの問題に真摯に向き合うのかと疑問が残っていた。

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そしてハラスメント問題がまた明るみに出た。
今回は、維新の元公設秘書らが党国会議員を告発とのこと。
以下、AERA dot.編集部・今西憲之氏の記事を引用する。

「こんなひどい処分はない」怒り心頭でそう話すのは、愛知維新の会から3月3日付で除名が確定した、北名古屋市の小村貴司市議。小村氏は以前からAERAdot.の取材に、衆院愛知5区(比例区で復活)の岬麻紀衆院議員から、パワハラを受けていると訴えていた。

■「パワハラなんとかしてほしい」

「2022年3月のことでした。体調不良で街頭活動に参加できないと、岬氏から『何をやっているのか、根性がない』などとLINEで非難され、事務所で会うと罵詈雑言を浴びせられ、土下座まで求められました。国会議員とは思えないほど怖かったので、これで済むならと土下座して謝りました」  

AERAdot.では2022年5月に岬氏が選挙公報に事実と異なる経歴を記載していたことを報じたが、その当時、小村氏は、 「きっと自浄作用があるはずなので」  と土下座を強要されたことについての記事を掲載しないよう求めてきていた。 しかし、その後も岬氏の“パワハラ”は収まらなかったという。

複数の秘書、スタッフが辞め、地方議員に立候補を予定していた女性も辞退していたと小村氏は指摘する。 「岬氏の秘書やスタッフは次々と辞めていき、『パワハラをなんとかしてほしい』と私に訴えてきました。維新の規約では、国会議員や地方議員らの特別党員でないと被害の訴えができないシステムになっています。そこで辞めていった秘書やスタッフの声を集めて、代表する形で維新のハラスメント委員会に告発をしたのが昨年11月でした」  と小村氏は話す。提出した「告発文」には、岬氏の元公設第2秘書・A氏について、 <毎日の労働時間が14時間になることが常態化> <2023年4月28日の事務所会議(Zoom)において、昨日解雇してあげたと発言があった> <(岬氏の)食事代など(私的なものに)立て替えが最大70万円を超えた。岬氏から知らないと発言あり>  と実質的に解雇された様子が書かれていた。

■計11人の元秘書、スタッフらが訴え  

その後の第2秘書となったB氏には、 <1日10枚のポスター(貼り)ノルマを課していた。ノルマを達成できないときは激しく責められ、夜間でも雨天の中でも貼ってこいと命令あり。(2023年)8月に突然解雇> <(情報漏えいしたと)岬氏の秘書が謝罪をB氏に強要。(2023年)11月11日に岬議員に謝罪。その際、岬事務所内のことは他言無用、念書を書くことを強要され、署名しないと帰宅できないとやむなく署名>  など合計11人の元秘書、スタッフらの訴えが記されている。  小村氏は愛知維新の会副代表・守島正衆院議員にも訴えをLINEで伝え、その返信は、 <すごい数の人たちの訴えですね。(中略)あとはハラスメント窓口へのアプローチお願いします。僕は報告すべきところにしておきます> という内容だった。  

A氏に直接、話を聞くと、 「1週間に1度の休みすらもらえないほどひどい労働環境でした。また、岬氏は私に対して個人の食事代、お菓子、下着、洗剤とか政治活動に関係ないものまで立て替えさせました。そんなとき、昨年4月に一方的にリモート会議で『解雇して差し上げた』と言われたので、お金が踏み倒されると思って、確認書を作って支払うように求めました。最初は10万円しか出さないので裁判をすると、60万円全額をやっと返金してきました。私はまだ返金されたからいいほうです。小村さんが土下座させられたのも知っているし、陰で岬氏のパワハラに泣いている元秘書、スタッフばかりです」  また岬氏の事務所で運転手だったCさんは、次のように振り返った。

「妻が身体障害者で、息子も仕事中にケガをしていたので仕事にいけなくなりました。妻はついに要介護の認定をされてどうにもならないときに岬氏の事務所から一方的に解雇通知がきました。ひどいもんです」  小村氏はすぐにでも、維新の調査が始まるのかと思ったが一向に回答がない。今年1月26日になってようやく、維新の弁護士から岬氏のヒアリングの日程調整をしていると聞かされた。  小村氏はさらに回答を待ったが、 「(告発から)3カ月余り経過したがハラスメント委員会は開かれず、愛知維新の会においても何も協議されない。議員のハラスメント問題は私も政治家として説明責任がある。愛知県総支部役員会には失望し、日本の改革及び愛知県の改革はできないものと判断したため、無念でありますが離党の決断をしました」 などとして2月13日に離党届を提出した。

■党の方針に反する行為とは  

すると愛知維新の会は、「党大会などの決定事項に背くなど、党の方針に反する行為があった」などとして小村氏を除名処分とするとし、2月22日に発表した。役員会は全会一致で除名処分を決めたと公表している。  

発表によると、「党の方針に反する行為」というのは、維新の選挙公約であり、公認の必須条件である「身を切る改革」に否定的で、実行の意思がないことだという。 「身を切る改革」とは、維新では地方議員は給与の手取り10%を寄付などにあてると決まりがあり、「誓約書」にサインが求められる。  小村氏の場合、市議の月額報酬約43万円のうち、月に約2万9千円を21カ月間(計約60万9千円)寄付する決まりだったが、26万円で止まっていたという。

 これに対し小村氏は、 「これまでも寄付はしていたし、未納分についても事務方にスケジュールを出して合意済みです。維新にいて過去に1円の寄付もせずに去っていった地方議員も知っているので聞いたら、なんらおとがめなしとLINEで返信があった。パワハラの真相がばれるとまずいから、寄付が滞っていることとすり替えて除名にしたのでしょう」 と反論する。

■秘書を通じて回答  

そこで、愛知維新の会副代表でもある岬氏に見解を聞こうと取材したところ、秘書を通じて、 「パワハラを訴えられていることは知っていますが、党のほうで審理しているのでしょう。パワハラのようなことはありません。反対に小村さんが除名になっているのではないでしょうか」  とコメントした。 パワハラ疑惑については、調査結果は出ていない。

引用記事:AERA dot.編集部・今西憲之氏

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