週刊文春〈週刊文春webオリジナル 2023/10/1〉によれば、大阪維新の会所属の枚方市長・伏見たかし氏が3期目の当選を果たした後の「伏見たかし祝勝会」に出席、「心からありがとう」と出席者にお礼を述べたということです。これは選挙後の挨拶行為を禁じる公職選挙法違反の可能性があり、伏見氏本人も事実を認めています。
問題の祝勝会は、市長選12日後の9月15日に大阪府枚方市内の割烹料理店で行われた宴会では、会場に掲げられた横断幕に〈伏見たかし 祝勝会〉〈心からありがとう!〉などと書かれており、伏見氏が支援者や選対スタッフを前に選挙での支援についてお礼を述べる場面もあったとのことです。
公職選挙法178条では、事後買収につながる恐れなどがあることから当選祝賀会などの選挙期日後の挨拶行為が禁じられています。 これに違反した場合、30万以下の罰金に処されます。
【速報】維新所属の大阪・枚方市長への問責決議案を可決 当選後「祝勝会」と称した会合に出席した問題〈読売テレビ 2023/10/11〉
公明党や共産党など4つの会派から共同で市長に対する問責決議案が提出されました。
問責決議案は、最大会派の大阪維新の会などが反対しましたが、公明、連合市民の会、共産などの賛成多数で可決されました。
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E9%80%9F%E5%A0%B1-%E7%B6%AD%E6%96%B0%E6%89%80%E5%B1%9E%E3%81%AE%E5%A4%A7%E9%98%AA-%E6%9E%9A%E6%96%B9%E5%B8%82%E9%95%B7%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%95%8F%E8%B2%AC%E6%B1%BA%E8%AD%B0%E6%A1%88%E3%82%92%E5%8F%AF%E6%B1%BA-%E5%BD%93%E9%81%B8%E5%BE%8C-%E7%A5%9D%E5%8B%9D%E4%BC%9A-%E3%81%A8%E7%A7%B0%E3%81%97%E3%81%9F%E4%BC%9A%E5%90%88%E3%81%AB%E5%87%BA%E5%B8%AD%E3%81%97%E3%81%9F%E5%95%8F%E9%A1%8C/ar-AA1i0Nds?ocid=msedgntp&cvid=ddeecea40f454b54aafa076825d6b448&ei=27
過去には民間団体への高圧的な態度が取り沙汰されたことも
伏見氏といえば、民間団体との意見交換会での席での圧力発言が印象的だ。こちらも週刊文春によれば当時の青年会議所(以下JC)幹部が枚方市長選に意欲を示していたことによるものだという。その映像が字幕付きで全編公開されているので、ご覧いただきたい。
JCとの懇親会での発言の模様。以下が伏見市長の発言。
「政治が1回絡むとね、もうね、殺し合いなってくるんすよ。相手がピストル持ってるっていうのがわかったらね、逃げへんけども、ピストル横にしまってるっていうことがわかったら、撃たれたら困るからね。
そういう、いうたら信頼関係を失うと、もう取り返しのつかんことになるからね。
だから、みなさんほんとに、よくよく考えて、JCさんが決めることは、JCさんが決めることやから、私がとやかく言うことと違うけども、ほんまに、政治絡みでやんねんやったら、とことんやったらええと思うけど。
その代わり、市役所とのおつきあいっていうのは、これまで通りできないから、そこのところよくご理解しといていただきたいですね。
やっぱり役所としてはね。中立ね。そんで街づくりのためっていうのがあるから一緒にできるんで、そこのところ、ちょっと皆さんご理解しといていただきたいなと思います。
なんでこんな、せっかくね、楽しいこの懇親会の中でね、こんなこと、私はほんとは言いたくないですけども、ひょっとしたら、もうみなさんと、こうやって話する機会がもうないかもしれないっていうふうに思ってるんですけども、だから、きっとね、そうなってくると、もう、私が何を言おうが、皆さんは信用しないし、JCさんが何を言っても我々が信用しないという関係になってしまうことが、ほんとに、僕としたら、そうならないように、皆さん、しっかり、じっくり考えた上で、判断していただきたいな、というふうに思います。
あとは、もう僕が決めることと違うんでね、JCの皆さんが決めることなんで、そこは、何も言うことありませんので。ただ、最後になるかもしれないんで、先輩として、人生の先輩として、皆さんにちょっと一言ね、言っておきたいと思いましたので、今日言わしてもらいました」
民間団体との意見の相違があったにせよ、「中立」と言いながら、一方的で恫喝にしか思えない発言が続く。
市役所と民間団体との話し合いがこのようなものであるのは、たいへん心配だ。
ましてや、記事通り、選挙で相手候補になるかもしれない人を牽制したのだとしたら、立候補を「ピストルを隠し持つ」話にたとえたり、自分自身が枚方市役所そのものであるかのように恫喝するというのは、ありえない話ではないか。この点についても伏見市長は「良くなかった」と思っているのだろうか。
3期目の伏見市長。大阪民主新報、2023年2月19日号によれば、「枚方市駅周辺再整備基本計画(基本計画)」を打ち出し、市民には説明会を全く開かないままで枚方市役所庁舎移転と再開発を持ち出した。これに、維新と公明が賛成。
同市市議会が否決したが、伏見氏は市議会否決にもかかわらず、これを推進する方針。現市役所庁舎の老朽化が心配されているが、その建替問題を置き去りに、市役所周辺の市有地を民間に売却し、旧市民会館は「民間活力エリア」として民間に開発を委ね、タワーマンションを建設する動きも取り沙汰されているとのこと。これからの動きが民主的であることを願いつつ、注視されねばならない。